私は3DプリンターEnder-3を使って改造や評価などを行っています。
前回記事では、初期のEnder-3のY軸フレームの固定や取付角度調整について記載していました。
今回、このY軸フレームの取付角度の微調整が行える冶具を製作しましたので紹介します。
尚、ここで調整するには、前回記事のTスロットナットによるY軸固定を実施しておく必要があります。
X軸Y軸の直角度確認
前回記事でも記載しました印刷物での直角度不良を改善しなければなりません。
次に実際にどの程度のズレがあって、改善後もどれだけ改善したのかを明確に評価する必要があります。
そこで、150×150mm正方形のテストパターンを印刷して曲尺にて直角度を確認することにしました。
150mmの辺で約2mmのずれが生じています。
調整冶具の製作と取付
Y軸の取付角度を微妙に変化させる冶具をY軸フレームとベースフレームの間に取付けます。
使用する部品は、設計印刷した部品(Y軸固定ブロックと回転ブロック)とTスロットナット、ネジ類はホームセンターで容易に入手できるものばかりです。
Y軸固定ブロック(PETG)には木工用の鬼目ナットを埋め込んでいます。Tスロットナットは溝に入れて90度回転で固定できる形状の方が取付が容易です。
こんな感じで取り付けていきます。
Y軸固定ブロックはY軸フレームにガッチリ取付できるように回転ブロックを回しで合う位置を調整します。
Y軸の振り角調整
Y軸固定ブロックの位置はY軸固定キャップボルトから大体150mmなので、上記のズレ(約2mm)を修正するためには、Y軸を約2mm左側へ振ればいいことになります。
まず、Y軸固定ボルトを2本とも緩めます。
調整冶具のネジは、M5サイズなので、ピッチが0.8mm、よって回転ブロックを2回転半左回転で調整することができます。
調整が終わればY軸固定キャップボルトをしっかり固定します。
調整後の直角度確認
調整後は、ベッド面が微妙に傾いている場合がありますので、下記記事の「手動レベリング調整」を行います。
調整後、150×150mm正方形のテストパターンを印刷します。
見事に直角が出ています!もちろん他の角も同様です。
これでX軸Y軸方向の平面における直角度が確保できました。
調整冶具は、調整後取り外して、定期的に150×150mm正方形のテストパターン印刷で確認する運用を行っていきます。
感想
先日の直角度ズレ発覚から、やはり3Dプリンターとしての基本的な形状精度、寸法精度を向上させる必要を感じています。今回はまずXY平面での直角度になりましたが、今後は寸法精度やZ軸方向での精度向上にも取り組んでみたいと思います。