3DプリンターELEGOO社のNeputne4を使っていて、概ね満足しているのですが、もう少し何とかならないかなぁ、と思う点もいくつかあります。前々記事でも不満な点など記載しましたが、今回は温度制御について改善方法がありましたので紹介します。
尚、この方法はLAN経由のfluidd画面上で行いますので、是非導入を推奨します。
現状の温度制御は
温度制御は、ホットエンド(エクストルーダ)とヒートベッドの2か所の温度を設定値に保つための制御になります。
操作パネルに表示されるリアルタイムの温度表示値は、整数値のみで設定温度になってる/なってない程度のモニター用に使ってると思います。
ところが、PC上でLAN経由のfluidd画面でこの温度値をモニターすると、リアルタイムの温度表示値が0.1℃単位で逐次表示され、グラフ化されます。この温度グラフが見易くて、それぞれの温度変化がどのように推移しているのかがよく分かります。
このグラフ推移を眺めていて、もう少し何とかならないかなぁと感じたことはありませんか?
装置は、印刷待機の加温状態での温度の推移ですが、エクストルーダの温度はほぼ真直ぐの安定した制御を行っているのに対して、ヒートベッドは結構ガタガタの波形になっています。
温度の振れ幅を観察すると、
・エクストルーダ: 210℃ ±0.2℃程度
・ヒートベッド : 60℃ ±2.5℃程度
変動しています。
この変動が、果たして印刷品質に影響するのか否かは、全く定かではありません。
ただ、ヒートベッドのグラフを見ていると、この制御何とかならないかなぁ、と思うわけです。
温度制御の改善方法
色々調べたところ、klipperの温度制御パラメータの変更で改善することが分かり、その方法について説明します。
尚、以下の操作はKlipperファームウェアを操作しますので自己責任で行ってください。
まず、現状の温度制御パラメータを確認します。
<確認手順>
1.fluiddの画面から、左側にある{...}マーク(Configuration)を選ぶ。
2.「Printer.cfg」を選ぶ。
3.[extruder]の次の値を見る。
control :
pid_kp :
pid_ki :
pid_kd :
4.同様に[heater_bed]の次の値を見る。
control :
パラメータの意味を簡単に説明すると、「control :」は制御方式で、エクストルーダではpid制御となっています。
pidの場合、p(比例)、i(積分)、d(微分)の各パラメータが必要になります。
pid制御は非常に一般的で特に温度制御によく用いられます。
ただ、ヒートベッドでは、watermarkという設定になっています。温度変化がガタガタなので、単純なON/OFF制御と解釈しています。
<変更方法手順>
1.pid制御のパラメータを変更するといっても、適切な値を求めることは容易ではありません。私のような素人は無理です。そこで、ネット情報を探したところ、下記のサイトにデーターが公開されていましたので、その値を信じて変更してみました。
参考サイト:https://www.igorslab.de/en/elegoo-neptune-4-3d-drucker-im-test/3/
2. Printer.cfgの内容を次のように書き換えました。
エクストルーダは、ほとんど変更する必要がなかったのですが、一応換えてみました。
3. Printer.cfg変更後は、画面右上の方にある「保存と再起動」ボタンを押します。警告のような表示が出ますが気にせず、しばらくするとファームウェアが再起動しているので、ホーム画面に戻って改めてエクストルーダとヒートベッドの加温を開始します。
改善後の温度状態
ヒートベッドの温度状況が明らかに改善しています。エクストルーダも元々変動が小さかったのですが、更に小さくなった気がします。
・エクストルーダ: 210℃ ±0.1℃程度
・ヒートベッド : 60℃ ±0.1℃以下
お断りとして、あくまで印刷待機状態での温度状況なので、実際の印刷途中での制御追従性は改めて確認する必要があります。
まとめ
温度制御について、改善されたと思いますが、実際の印刷における品質向上にどれだけ効果があるかは、全く分かりません。ガタガタ制御より良いだろうという感覚です。
ただ、メーカーでの出荷時設定として、せっかく良い制御機能があるのに採用しなかったのか疑問を感じてしまいます。