GGの挑戦

3Dプリンターライフを楽しんでいます

【Neptune 4】半年使ってみた感想

 2万円強の3DプリンターEnder-3を思い付きで買ってから約3年。未だにその魅力にのめり込んで、飽き性の自分でもここまで続くとはびっくりです。今は新しいおもちゃ作りに没頭していますが、試行錯誤の連続で大量のゴミを作っています。

 このブログは、何とか3Dプリンターの楽しさを多くの方に知ってほしいと開設したものです。些細な情報ばかりで主に、FDM方式3Dプリンター(Ender-3,Neputne4)に関する気まぐれな記事を投稿しています。

 最近は、家庭用3Dプリンターの進化も著しく高性能化しています。
半年前にELEGOO社のNeputne4を購入し、今ではほとんどの製作品をこのNeputne4で製作しています。
欲しかった機能のほとんどを網羅して、最近ではAmazonで3万円台で販売されているようです。
競合他機種も多い中、私個人目線ではNeputne4が圧倒的にコスパが高いと思っています。
ただ、未だにネット情報が少なくて、購入を躊躇している方も多いのではないかと思っています。
また、購入はしたもののやっぱり使い難いと感じている方もいるのではないでしょうか?

 私が半年間使ってみた印象を下記にまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。
尚、以前の記事「1ヶ月使ってみた感想」で記載したところもご参照下さい。

 

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良い点

1.印刷速度

 最近はおもちゃの試行錯誤品を多量に印刷しており、殆どをPLAフィラメントで印刷していますが、印刷速度は150~250mm/s設定で行っています。Klipperマザーボードの採用でその効果がすごいと感じますが、スペック上のMax500mm/sは実運用で使う必要は特にありません。少し印刷時間が短くなる程度で、機械の損耗の方が心配です。TPUはまだ100mm/sでしか印刷していませんが全く問題ありません。
このスピードに慣れてしまうと、遅い速度での印刷ルーティンには戻れません。
 高速に伴う印刷品質への影響については定かではありませんが、気になる点もあり後述いたします。

2.LAN経由のリモート操作

 LAN接続環境を準備する必要があるのですが、私の場合は、古くなった安物無線ルータを中継器としてプリンターの横に置き、別部屋のリビングからPC操作での印刷データアップロード、印刷開始を行っています。
また、安物Webカメラ(3000円程度のもの)で時折、印刷状態監視を行っています。
USBメモリーは全く使いません。fluiddのモニター画面は非常に便利なので、絶対に使うべきだと思います。

3.印刷品質

 通常の印刷では問題なく綺麗な仕上がりで概ね満足しています。特に側面の綺麗さは、肉眼では積層痕さえも殆ど見えないくらい綺麗なこともあり、感激ものです。入力整形と圧力前進機能の効果なのでしょうか。

高さ20mmのパーツ拡大

TOP面については、インフィル100%印刷において、かなり粗さが目立ちます。長尺ものを印刷した場合、「ゴリゴリ、ゴリゴリ」とノズルが印刷面に接触する音が頻発し、案の定ガタガタの表面になります。

インフィル100%でのTOP面粗さ

 印刷速度との関係やその他の物理的な影響など、要因調査と対策方法について次の記事で紹介したいと思います。

4.オートレベリング機能

 初心者の方にとって、購入組立後、最初の難関がヒートベッドのレベリング調整だと思います。他機種では簡単にオートレベリング作業ができる機種もあるようですが、私が思うにNeputne4でのレベリング機能はちょっと面倒ですが、良くできていると思っています。
 Z軸に対するX軸、Y軸の直角度を保つためにも、調整ノブによる4隅の高さ調整ができる機能を残すことは良いと思っています。
初期の調整では、手順を間違わずに手動調整、オートレベリング調整、Z-Offset調整を行えば、後はほとんどレベリング操作する必要がありません。私も導入後これまでに、Z-Offset調整を1度行ったのみです。
尚、調整手順については、過去記事をご参照ください。

 

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5.ダイレクトエクストルーダ

 スペックではホットエンドを300℃までの過熱が可能なようですが、まだ、高温が必要なフィラメント(PCなど)を使っていません。エンプラを必要とする方には活躍しそうですね。
 ダイレクトエクストルーダは、ボーデン式に比べて、飛躍的にトラブルが激減します。私もこれまでノントラブルで操作もし易くよくできていると思います。
 このエクストルーダ、超高速で左右に動くわけですが、印刷面冷却ファンも外してかなりの軽量化設計もされていると想像します。でもモーターやベルトへの負荷そして華奢な筐体構造を考えると、無理な高速運転も如何なものかなと心配になります。
 そしてもう1点、フィラメントの引き込みについてですが、ダイレクトエクストルーダなので上面から引き込みます。つまり、フィラメントの引き込みに摩擦抵抗があると、エクストルーダが高速で移動するときに上に持ち上げられる力が働きます。その懸念材料がフィラメントセンサーでのわずかな僅かな摩擦抵抗やまた、フィラメントスプールを掛ける軸も固定なので、フィラメントを強く引っ張る瞬間にイナーシャによる力や静摩擦でエクストルーダを持ち上げる可能性もあります。
 これらの影響や対策について、次号の記事で調査し改良品の製作も紹介したいと思います。

6.PEIシート

 ヒートベッドにPEIシートが標準採用されているので、気に入っています。最近は他機種でも標準採用が多くなっているので、一択になってきてるのかなぁ。
今は、殆どPLAフィラメントを使っているので、ベッド温度60~70℃程度なのですが、全く跡形が残りません。

PEIシート

もちろんヘラのお世話になることもなく、簡単にべりっと剥がれてくれます。定着が悪いなと感じた時は、中性洗剤とスポンジでやさしく洗っています。定着具合については、表面汚れだけでなく、Z-Offset調整や印刷物の反りの問題などいくつかの要因がありますので、状況を見極めて対応する必要があります。

7.操作パネル

 簡単操作のカラー液晶タッチパネルで、非常に使い易いと思います。たまに変な日本語も混じっていますが、迷うことはなく基本的な操作ができます。特にうれしかったのが、レベリングのZ-Offset調整が0.01mm単位で出来ること。

レベリング表示

 基本的な操作は備わっているのですが、細かい設定(エクストルーダーの送り量設定など)がパネルからではできないものがあります。fluidd画面から設定できるのですが、解説情報が少なく、導入初心者には分かり辛いと思います。
 私の場合、印刷ルーティンにおいて、LAN経由のfluidd画面での操作がほとんどなので、印刷中断操作やフィラメント交換時のヘッド加熱以外ほとんど触る必要がありません。

8.冷却ファン

 印刷物冷却用のどでかいファンですが、設計思想は凄いなぁと感じます。ヘッド部から外したから広く大きくしたのかなぁ?ヘッド部の左右位置に拘らず、印刷物を強力に冷却するので冷却面積が広がります。ただ一部、X軸ガントリーの後ろ側はその恩恵に与らず全ての面とはなりません。実際にどれだけの効果があるのかは、検証できておらず、きっと良くなっていると信じています。
 また、当機にとって最大の難点であるファンの騒音の問題は、誰もがビビるぐらいの爆音だと思います。
ファン風力100%がデフォルト設定なので、導入当初は驚きました。
でも、低風量でも十分に冷却効果があることが分かりましたので、今ではスライサーの設定で10~30%程度に抑えて運用しています。

不満な点や私にとって不要な機能

1.冷却ファンの爆音(解決済み)

 上記でも述べましたが、導入当初に本当にびっくりしました。解決法もあるので、懲りずに調整してみてください。

2.スライサーソフト

 Neptune 4で対応しているのが、付属のELEGOO Curaのみです。2023年12月現在の最新UltiMaker Cura5.6.0でもまだプリンター設定できません。早くサポートしてほしいと願うばかりです。どなたか、良いスライサーを紹介して頂ければ幸いです。

3.フィラメント切れ検出センサー

 上記でも述べましたが、特に必要を感じず、フィラメント引き込みに余計な抵抗を加えている可能性もあるので、あまり使っていません。

フィラメント検出センサー未使用状態

 フィラメント残量近い場合は使うこともたまにありますので、フィラメント切れ端を突っ込んでます。

4.筐体の剛性(不安な点)

 Max500mm/sの印刷速度を謳う割には、華奢な筐体構造なので、そこまであまり信用して使う気になりません。推奨の250mm/sで十分運用できているので良いのですが、ガントリー部の剛性が品質に影響しているのでなないかと疑っています。
今後、補強策なども施して効果を見たいとも思っています。

5.情報・保守パーツが少ない

 新機種なので当然なのですが、それでもNeptune 4の国内情報が少な過ぎる。保守パーツも最近はちょくちょく出てきていますが、まだまだ少ない。トラブル時のメンテナンスがどこまでできるのか、不安が残ります。

6.X軸へのケーブル処理

 X軸側にいくケーブルですが、普通に組付けると上下に稼動する遊びのために装置の左側に空きスペースが必要になります。これが結構邪魔で、せっかくスマートな外観なのにこの出っ張りを何とかできないものかと・・。

ケーブルのはみ出し

海外の動画で蛇腹のガイドに入れた紹介もありますが、余計ごっつい感じで笑ってしまいました。どなたか、スマートないい妙案を頂けると助かります。

まとめ

 概ねNeptune 4に満足しています。印刷品質でまだ改善する必要がありますが、今後試したい対策案もあり、随時紹介していきたいと思っています。

 次記事ではエクストルーダのフィラメント引き込み抵抗に関する影響とインフィル100%時のTOP面ブツブツ調査と対策について記載します。