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【Neptune 4】簡単な寸法精度・押出し量確認行ってみた

 当ブログでは、最近はFDM方式3DプリンターELEGOO Neptune4の評価を行っています。
今回は、前記事でも触れましたが、Neptune4の寸法精度や直角度を確認してみました。方法は曲尺だけを使う簡単なもので厳密なものではありません。
 また、エクストルーダのフィラメント押出し量についても、確認とパラメータの変更方法を説明したいと思います。

寸法精度や直角度について

 基本的な考え方は、下図に示したX,Y,Z各軸の寸法精度とX-Y軸の直角度、X-Z軸の直角度、Y-Z軸の直角度を確認することになります。

確認の模式図

 X軸、Y軸はベッド面になるので、下図のような四角パターンを1mm厚ほど印刷して寸法と直角度を測るだけです。

印刷パターン図

 結果は200mm四角と100mm四角共にピッタリの寸法と直角が出ていました。

X-Y軸200mm寸法・直角確認

X-Y軸100mm寸法・直角確認

 次に、Z軸の寸法、X-Z軸の直角度②、Y-Z軸の直角度③の確認方法ですが、印刷して測るのも大変なので、Z軸の手動操作での確認としました。

 まず、先にX軸フレーム上に、十字の印を入れたテープを張り付けておきます。
X-Z軸の直角度②とZ軸の寸法を見るために、曲尺を次のようにベッド面において、十字の水平線の寸法(ここでは75.6mmぐらい)をメモしておきます。垂直線と曲尺の辺を合わせておきます。

X-Z軸確認(下側位置)

 この状態で、手動操作にてZ軸を200mm上へ移動します。

Z軸移動開始

  画面操作は、メインメニューから「準備」→「移動」と進み、「10mm」設定にし「Z+」キーで200mm移動します。
(くれぐれも「Z-」を押してベッド面に衝突させないように)

 移動後は、275.6mmで実測200mm移動を確認し、垂直線と曲尺の隙間も変化なく直角度も保たれていることを確認しました。

Z軸200mm移動後の位置

 次に、Y-Z軸の直角度③確認します。曲尺をベッド面Y方向とX軸フレームに当たるように置きます。

Y-Z軸確認での曲尺位置

 X-Z軸と同じように200mm移動して、曲尺とX軸フレームとの隙間を確認します。更に-200mm元の位置まで戻して隙間を再確認した方が良いです。今回の結果では、ピッタリ直角が出ていました

エクストルーダの押し出し量確認と調整

 エクストルーダのフィラメント押し出し量も印刷品質に重要な要素です。
私の場合には、ABSの印刷時にベッド剥がれや、印刷物のもろさがあり、確認を行ってみました。

確認方法手順

  1.  メイン画面から、「準備」→「温度」と進み、ノズルを加熱する。

     

    ノズル加熱
  2. 「押出し機」を選択して、初期設定値の50mmでテストしてみる。

    押出し機選択
     
  3.  エクストルーダの入口から50㎜のところのフィラメントに印を付ける。

    50mmの位置に印

     

  4.  「ロード」キーを押す。押出しを開始し、フィラメントが吸い込まれる。

  5.   停止したところで、目盛りの位置を測る。

    押し出し後の位置
  6.  結果、50mm設定で45㎜押出したことになる

定値と大きなズレがあったので、調整が必要です。

調整手順

 調整は操作パネルから行うことができません調整にはKlipperファームウェア設定値を変更できるfluiddから行います。fliddの導入・実行については、前記事で触れていますので、ご参照ください。
尚、この調整は自己責任で行ってください。

 

ggblog.hatenablog.com

 

 1.fluiddの画面から、左側にある{...}マーク(Configuration)を選ぶ

Configuration選択

 2.「Printer.cfg」を選ぶ。

 

Printerファイルのextruderの項変更前

 3.[extruder]にある「rotation_distance:」の値を読む

   変更前の値は、31.4でした。(現在の設定値

 4.新しいrotation_distance値(新しい設定値)を次の式で計算する。

計算式

 5.新しいrotation_distance値に変更する

新しい設定値入力後

 6.変更後、ノズル加熱をOFFとし、温度低下後に装置の電源を一旦OFFにし、
   約10秒後電源再投入する。
 7.fluiddの画面から新たに設定したrotation_distance値が表示されていることを
          確認
する。
 8.改めて、押出し量確認を行い、50mmピッタリ押し出されていることを確認す
   る

 

 以上で調整が完了しましたので、印刷物での仕上がり状態を確認してください。

 私の場合、明らかに改善しました。一例ですが、ABSでのブリム印刷で糸状にバラけていたのが面として結合するようになり、積層間の融着も強くなり、ベッド面からの剥がれや積層剥がれが大きく改善しました。

まとめ

 今回は曲尺だけで行う精度確認を行ってみましたが、メカ構造としては正確な造形ができそうで安心しました。
ただ、押出し量に大きな誤差があり、操作パネルからの修正もできず焦りましたが、海外サイトの情報から修正方法が見つかり安堵しています。今後も様々な不具合に遭遇すると思います。不具合対策や改善情報などもっとたくさんの情報が公開されることを期待します。