GGの挑戦

3Dプリンターライフを楽しんでいます

印刷物の平面(XY軸方向)寸法誤差精度確認と補正

 前々回の記事では、3DプリンターEnder-3でのY軸フレーム角度微調を行い、印刷物のX軸Y軸方向の直角度を確保することが出来ました。
 今回はXY軸方向での寸法誤差精度確認を行うと共に寸法補正をスライサーソフト(Cura)で行うことでどの程度補正されたのか検証することにしました。

印刷サンプル

 下図の形状のサンプルを高さ3mmで印刷します。
各寸法は、記号で表していますが、例として▢20は1辺20mmの正方形の穴、〇20は直径20mmの丸穴を表し、■20は1辺20mmの正方形、●20は直径20mmの丸形状を表しています。

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測定サンプルと記号

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実際の印刷サンプル

補正前の印刷サンプルの寸法測定結果

 寸法測定は横方向(X軸方向)と縦方向(Y軸方向)で行いました。三角形は鋭角のため、寸法が計り辛く正方形と円形のみで行いました。
 尚、測定器はデジタル式ノギスの読み値ですが、0.01mm台の値は参考程度です。

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補正前の測定結果

誤差平均として穴寸法は0.12mm程、外形寸法は0.08mm程それぞれ小さい結果となっています。

Curaによる補正

 スライサーソフトCuraには、XY軸方向の穴径や外形寸法を補正する機能があります。
 プリント設定の「ウォール」(外壁)内に次の設定項目があります。
 Curaのコメントでは、
・水平展開:

  各レイヤーのすべてのポリゴンに適用されるオフセット量。

  正の値は大きすぎる穴を補うことができます。

  負の値は小さすぎる穴を補うことができます。

  影響 ・初期層水平展開
・初期層水平展開:

  最初のレイヤーのポリゴンに適用されるオフセット量。

  マイナスの値はelephant's footと呼ばれる第一層が潰れるを現象を軽減させます。

  次によって影響を受ける ・水平展開
・穴の水平展開:

  各穴のすべてのポリゴンに適用されるオフセット量。

  正の値は穴のサイズを大きくします。

  負の値は穴のサイズを小さくします。

 

正直、上記説明では非常にわかり辛く、水平展開で穴径が変化するの?穴の水平展開に影響しないの?誤訳?などと悩みつつ・・

 とりあえず、私の勝手な解釈で水平展開は外形寸法補正量0.08mm穴の水平展開は穴の内寸法補正量0.12mmと考えて、補正量を設定することにしました。また、一層目の潰れも発生しているようなので、-0.1mmだけ入力してみました。

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Curaでの補正前設定値

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Curaでの補正後設定値

 

補正後の印刷サンプルの寸法測定結果

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補正後の測定結果

内寸、外寸共に誤差が補正できたのではないかなと判断できます。
また、第一層目の潰れ具合いは、-0.1mmぐらいでは目に見えての改善は分りませんでした。
今後の印刷物で意識して調整してみようと思います。

所感

 今回の寸法補正ではほぼ予想通りの結果が出ましたが、0.1mm程度と小さい値のため補正の考え方が合っているのか否か判断が微妙です。今後の印刷物の設定時に意識して補正できるので良い学習ができたと思っています。
また、今回の補正では次のような注意点もあるので、造形物の形状や使用目的に応じて考慮しなければなりません。
 1.今回の補正は、XY軸方向での補正のみとなり、Z軸方向では適用されない。
 2.例えば、複数穴印刷した時、穴間のピッチには補正が影響しない。

 Z軸方向での補正方法があるのか無いのか初級者の私にはまだ今後の課題です。

とりあえずはXY軸方向の補正については、Curaで行えるので、大きな収穫でした。
Ender-3を材料に3Dプリンターの色々な勉強が出来ているので、今後もしばらくは付き合っていけそうです。