GGの挑戦

3Dプリンターライフを楽しんでいます

続報!「シャボン玉発生器」その2

 3DプリンターEnder-3を使った評価テストやアップグレード、独自改造等の記事を記載しています。
 前回記事にて「シャボン玉発生器」の作品紹介をしましたが、身近な方から結構反響を頂き、「ぜひ欲しい!」とか言われ、大変うれしく思っています。
 ただ、前回作ったものはEnder-3でできる最大サイズで作ることも目標にしていたため、加工時間、材料費、組み付けの手間などは度外視に設計していました。
 3Dプリンターで作るが故の宿命なのですが、ちょっと大きなものを作ろうとすると、量産には不向きな加工機です。とは言えアイデアを形にする、試作テストを重ねて短い工期で完成形を見つけ出す、といった用途には抜群のアイテムなのです。
 量産とまではいかなくても、複数個作る手間も省力化できるようになれば、多くの方に喜んでもらえる。
 そんなことから、前回作った「シャボン玉発生器」の改良に取り掛かりました。

まずは前回の課題克服から

 前回作った「シャボン玉発生器」では、

  1.  駆動レバーを回すのが結構重い。
  2.  羽根やギヤがむき出しになっているために、子供たちに遊んでもらうには危険が多い。

という問題がありました。
 そこで、1.の問題解決のために、軸受け部6か所をベアリング化しました。
これにより、動作的にはかなり軽く回るようになり、幼児でも回せるレベルになりました。
ただ、コストアップになったり、部品点数が増えたりと新たな課題も生じてしまいます。
 2.の安全性の問題については、カバーを付ければいいだろうと安易に考え、次のようなカバーを取り付けました。

1号機改造後(羽根カバーは失敗)

 安全性は高まったのですが、カバーのサイド面を塞いだために、プロペラの風が全く前に出なくなったのです。羽根形状に問題あると思うのですが、羽根を作り替えたり、カバーサイド面にスリットなどの加工を追加したりするのも何か面倒と思うようになり、この1号機は羽根カバー無しで大人が使うものと決めて、これ以上の改良は打ち切りました。
 イベントなどでの活用には十分活躍できるかなと思っています。

改良型の2号機製作へ

 1号機を大人向けとしたので、2号機以降は「幼児でも楽しめる」を主眼に小型化を目指します。小さくして部品点数も減らして、早く安価に作れるように一から作り直します。
但し、シャボン玉の発生具合いは、1号機に引けを取らないように豪快に飛ばせるようにしたい。そんな思いで設計に着手したのですが、やはり加減速機構は平歯歯車の組み合わせによる1号機と同等の構造しか思いつきません。とりあえず、3Dプリンターで作り易く、プロペラ以外ではサポートを極力使わない形状にしました。
 パーツ全体は次の様になりました。まだ、部品点数が多いですが・・。

部品全体

 そして、組み立て完成状態がこちら。

2号機外観

1号機と並べてみました。

1号2号比較

 スマートな形ではありませんが、機能的には思い通りの動作になり、駆動レバーも軽快にわずかな力で回ります。重量も520gと1号機の半分以下になりました。

ここでやはり問題が・・・

 旨く出来たつもりだったのですが、軽快に回りすぎるため、勢い良く回してしまいます。
すると「ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!~」と轟音を発します。
これは、プラスチック平歯歯車の組み合わせによる特徴的な騒音のようで、バックラッシュも大きめに取っているため、聞くに堪えない状態です。これじゃ気持ち良くしゃぼん玉を飛ばす気になりません。何とかしなければ・・・。

騒音対策

 平歯歯車のガラガラ音対策として、グリスを塗ることで多少は低減しましたが、根本的に消えるわけでもなく不快感は変わりません。
 結局、歯車形状を変更するしかないかなと、はすば歯車への変更に踏み切りました。
はすば歯車では山が斜めに並んでいるので、歯の当たる衝撃を低減し歯面の接触時間も長くなり、結果としてガラガラ音を大きく低減する効果が期待できます。
 現在のFusion360では、はすば歯車をフリーでアドインする方法が分らず、製作に手こずってしまいました。色々検索したり思考を重ねることで、結果的にはスッキリと製作できたので良かったと思います。このはすば歯車設計に関して、結構役立つ情報と思うのでこの製作過程を次回の記事にて紹介します。
 そして、はすば歯車に替えた結果どうなったか、嫌なガラガラ音はほぼ消えました。
騒音自体は、「ゴーー!」というような連続音になり、それなりに大きな音ですが、聞くに堪えられないほどではなく、効果ありと判断します。

いよいよ実際のシャボン玉飛ばしへ

 ゴールデンウィークになり、5歳の孫が丁度遊びに来てくれたので、公園でシャボン玉を飛ばしてみました。

公園でのテスト

 少し見難い写真ですが、小ぶりの2号機でも1号機に負けないくらいのシャボン玉量を放出してくれました。結構風もあって流されてしまいましたが、十分満足のいく結果で子供たちも大喜びしてくれました。
これはもう大成功でしょう

でも本音は・・

 「ぜひ欲しい!」と言って頂ける声も非常にうれしいのですが、この2号機複製を作るにしても何やかやで1週間ほど掛かってしまうのが実情で、安易に請け負うことが出来ません。
 なので、まだまだ簡素化、使い易さを追求する必要があるなと実感しています。
更なる改良版3号機製作に着手するかー。