3DプリンターEnder-3を使った評価テストやアップグレード、独自改造、製作品の紹介などの記事を載せています。
今年の年初の記事で「からくり玩具を作りたい」という目標で取り組みを始めていますが、中々「これだ!」っていうテーマが見つからず、感性の無さを実感しています。
とりあえず「からくり」を実現する上で重要な要素は、「機構」についてある程度理解する必要があると思っていますので、世の中にある面白い機構を探していました。
そして目に留まったのが自動車で使われている「デファレンシャルギヤ機構」で、これを形にしてみようと思ったのです。
デファレンシャルギヤ機構とは
自動車に搭載されている機構で、デフとかオープンデフとか言われていますが、車輪の差動装置のことでカーブした時に左右の車輪の回転速度差を吸収する機構です。
これが実にうまく考えられている機構なのですが、詳しい説明は、世の中に山ほどありますので割愛します。要は傘歯車を組み合わせて左右の車輪の回転差を吸収しつつ動力を伝える機構なのです。弱点もあって、負荷のかからない車輪側ばかりに力が掛って、空転すると前に進めなくなるといった問題がありますので、オフロード車やスポーツタイプの車などでは「LSD(リミテッド・スリップ・デフ)」という付加機構もついているようです。
デフ機構を解り易い模型に
初めてデフ機構を見たとき、その仕組みをすぐに理解できず、しばらく頭の中が混乱してしまいました。
単純に組み合わされた傘歯車のメカだけで差動吸収を実現しているのですよねぇ。理解できると感動ものです。
そこでこのメカ構造を3Dプリンターで解り易い模型にすることにしてみました。
設計開始
主役は傘歯車なので、Fusion360に「GF Gear Generator」をアドインして簡単に作ることができます。
GF Gear Generatorについては、過去記事でも紹介していますので、参考にしてください。
傘歯車は「90°Bevel Gears」を選択して、モジュール数、歯数、圧力角を設定するだけで作ってくれます。
模型のデフ機構なので、出来るだけコンパクトにして構造が見易く、ちゃんと動作することを目標に設計しました。
こんな模型ができました
大きさは写真のようにコンパクトな形状ですが、差動機構として動作します。
ちょっとした教育用に使えそうです。動画とかで見るよりも、現物を触って体感することで機構の仕組みがより分かりやすいと思います。
プロペラシャフト(駆動軸)の回転がリングギヤに伝わり、ピニオンギヤを介して、左右のサイドギヤに動力が伝わり両方の車輪が回ります。左右の車輪に回転差が生じたときにはピニオンギヤが回転して吸収する仕組みになっているのですが、こんな説明だけでは分かりにくいですよねぇ。
今回の記事は、デフ機構の模型を作ったよ、ってだけのことですが、機構の要素を組み合わせることで面白い動きが実現できると思いますので、これからも色んな機構に触れながら、作品作りの糧にしていきたいと思っています。