3DプリンターELEGOO Neptune4に関わる記事や、作品の紹介など気まぐれに投稿しています。
前回と前々回の記事では、「立体錯視」で著名な杉原厚吉先生(明治大学 研究特別教授)の作品の一例をFusionで作図し成形してみた内容を紹介させて頂きました。
この2種類の形状の作り方を応用すれば、色々な錯視立体を作図することが出来るようになります。今回、新たに製作した3種類の作図・造形品を紹介したいと思います。
1.矢印の方向が逆転する錯視(杉原先生発案と同様な形状)
2.窓を通り抜ける棒の錯視(杉原先生発案と同様な形状)
3.つづら折りを上るボールの錯視(自作品)
尚、出来上がった製作品を動画にも上げました。これまではYouTube動画で動作する様子を紹介していましたが、今回はX(旧ツイッター)に初めてポストしてみました。
https://x.com/GgblogKobe/status/1877165845756903545
今後、Xでは動画やブログで紹介するほどでもない小物製作品の紹介なども気軽に出来るかなと思っています。
1.矢印の方向が逆転する錯視
杉原先生の作品と同じようなものをと思って作ってみました。作成方法は、前々回の記事「円形の筒を鏡で見ると四角形の筒になる」と同等の作成方法で簡単にできました。
作図は簡単なのですが、矢印の形状でエッジがたっていると、エッジが目立ってしまうので曲線にする工夫が必要なようです。
2.窓を通り抜ける棒の錯視
硬い棒が2つの窓を不自然に通り抜けるという錯視で、これも杉原先生の作品を真似てみたものです。これは前回記事「上り?下り?(坂道が逆転する錯視)」で作図した方法と同様の考え方で製作したものです。
中央部の突出したように見える角も実は凹んでいるので、硬い棒を通すことがきます。突出形状という思い込みと硬い棒で混乱が生じて「ありえない!?」と感じてしまうのです。
3.つづら折りを上るボールの錯視(自作品)
これは坂道の勾配が逆転する錯視の応用編で自作品です。つまり逆勾配の坂道を繋ぎ合わせることで、より面白いボールの転がり方になるのではと思って作ってみました。
作図方法は、前回記事「上り?下り?(坂道が逆転する錯視)」と全く同様ですが、形状が複雑になったことで作図も面倒になりましたけど、理屈さえ押さえておけば容易に作ることが出来ます。
つづら折りとは幾重にも曲がりくねった坂道のことで、矢印方向に坂が下ってるような道です。
この坂道にボールを置いてみます。
実際の形状はどうなっているのでしょう?他の角度から見ると次のような形状のつづら折りとなっていまして、勾配が逆方向になっているのでボールが昇るように見えるのです。
まとめ
3回の記事に渡って「錯視立体の作り方」と作品の紹介をしてきましたが、錯視の世界はまだまだ奥が深く、これからも「あっ!?」と驚くような作品が登場すると思います。
当ブログでは、「こんな形状どうやったら作れるのだろう?」そして「自分の3Dプリンターでも作ってみたい。」と思われる方へ、3DCADを使えば数値計算の必要もなく簡単に作ることが出来るということの一例を紹介させて頂きました。
ご興味を持たれた方への一助にでもなれば幸いです。
そして、立体錯視の発見・発展に貢献されています杉原厚吉先生に改めて感謝申し上げると共に、今後の新たな発見にも期待しています。