GGの挑戦

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【Ender-3】からくり玩具第2作目!「回し車」出来ました

 3DプリンターEnder-3を使った評価テストやアップグレード、独自改造、製作品の紹介などの記事を載せています。

 からくり玩具の2作目がや~っとできましたので、紹介します。
発想や動きは単純なのですが、これがまた困難に次ぐ困難で、何度も作り直しては挫折の繰り返しでしたが、とりあえず目的の動きになったかなと思います。

今回のテーマは「回し車」です

 「回し車」って、ハムスターとかが丸い籠(かご)の中で走って籠がくるくる回る光景を思い浮かべると思います。
 そうなんです、このハムスターが一生懸命走っている姿を再現できないかなぁと思ったのがきっかけです。
 こんなおもちゃがないものかとネット検索してみたのですが、全く見当たりません。
ならば、作ってみようか、と・・・。

おもちゃのイメージ

 仕上がりイメージは、回る籠の中でハムスターが走っている動きそのもので、駆動方法は手回しにする、と決めました。

仕上がり予定

(絵は、設計最終段階の形状となります。)
ハムスターとは程遠いですが、お許しを・・。

具体的な動作方法

 動作させるものとしては、①籠の回転②走る足の動きとなります。
本来の回し車ならば、ハムスターが籠を回すのですが、今回は手回しそのものの動きを籠回転に直結します。問題は、ハムスターの足をどのようにリアルな動作にするかです。
左右の前足、後足を交互に走るように動かし、籠の回転数よりも何倍も速く動かす必要があります。
 更に、ハムスターは宙に浮いているような状態なので、まず手回しの動力をどうやって足の動きまで伝えるか・・。難しい課題ですが、その解決方法はハムスターの自重なのです。
 手回しの動力に反発するように自重による力が発生し、その力を使って足を動かそうという構想です。
 足の回転数を上げるためには、ギヤを使って6倍程に上げて、4節リンクを使って走る動きに変えます。

「こんな説明ややこしいから、どうでもええ」と思われる方は、読み飛ばして最後の動画だけでもご覧ください。

いよいよ試作へ

 先の1作目からくり玩具「自転車を漕ぐ人」の経験から、4節リンクの動きや関節の方法などを流用して、リンク長さを調整しながらシミュレーションを繰り返して長さを決めていきます。関節は真鍮(しんちゅう)釘とEリングの組み合わせがここでも活躍です。
 回転数を6倍程に上げる方法として、当初は輪ゴムを使って試作したのですが、軸受にラジアル荷重が掛ることでの摩擦増大で、足を動かすことができませんでした。
結局、普通にギヤの組み合わせで回転比を確保することにしました。
 ここで重要になってくるのが、ほんのわずかな抵抗や引っ掛かりがあると機構が動きません。つまり、手動回転によってハムスターの身体が傾くことによって発生する反力だけで機構を動かそうとするのですから・・・。
ギヤのバックラッシュもたっぷり取って、わずかな引っ掛かりにも注意します。

 製作品のほとんどが、3Dプリンターによる製作品で、数点の金属スペーサ、平ワッシャー、ビスそして真鍮釘とEリングを使って組み立てます。

やっと出来た試作品ですが・・

 狭いスペースに機構を詰め込んでいるので、あちこちで接触が発生し、何度も何度も削ってみたり、パーツを作り替えたりと・・、何週間経過したことだろう・・。

 そしてついに、動いたのです! これで完成も近い!
軽快な足の動きに感激していたのですが、よ~く見ると足の動きと籠の回転方向が逆ではないか! 何とも根本的なミスで自分の馬鹿さ加減にあきれるばかり。

気を取り直して再設計

 回転方向を変えるにはギヤ構成を変更せざるを得ません。変更は大変ですが、既に機構が動くことを確認しているので、迷いもなくスムーズに進みました。
機構の動作としては、一発で成功し、いよいよ仕上げに取り掛かります。

仕上げはハムスター(ネズミ)作り

 当初はハムスターのような可愛さをイメージしていたのですが、機構部分が結構大きくなり、それを隠すカバーも大きくなってしまいました。
とてもハムスターとは言えず、「白いネズミ」にしときます。
白いネズミのカバーを取り付けて、完成となります。

初めて「フォーム」を使う

 白いネズミの立体モデルを作るには、Fusion360の「フォーム」を使うしかない。
実は、何年もFusion360を使っているのですが、フォーム(旧スカルプト)は、殆ど使ったことがないのです。昔の機械屋さんはソリッドモデルしか実感が沸かないと思います。
私もその端くれで、フォームでの設計は全く馴染めません。
でも、ネズミの形を作ろうとしたら、フォームを使うしかありません。
試行錯誤の繰り返しで、何とかネズミらしいカバー作ってみました。
機構部をできるだけ隠して、小さく見せる、というのも苦労しました。

とりあえずネズミカバーも取り付けて、一応完成です。

正面

側面

裏面

 傾いているのは、お尻に小さな重りを入れたので、静止時には、傾いてしまいます。

動画にしてみましたので、ご覧ください。

www.youtube.com

製作を終えて

 今回のテーマは、早くに設定していたのですが、中々形にならず、動いたときは感激でした。ご覧頂いた皆様は、「な~んだ、こんなものか」とがっかりさせたかもしれません。
 それでもいいんです。とにかく、誰も作ったことがない、くだらないおもちゃ作りをもう少し続けてみようと思っています。