GGの挑戦

3Dプリンターライフを楽しんでいます

【Ender-3】アンチバックラッシュスプリングを取り付けました

 3DプリンターEnder-3を使って、評価テストやアップグレード、独自改造を行っています。
今回はZ軸送りネジにアンチバックラッシュスプリングを取付ける追加改造を行いましたので紹介します。

アンチバックラッシュスプリングとは?

 Z軸の送りネジとX軸ガントリーに動力を伝えるナット部との間にはあそびが必要であり、それに伴うガタツキ(バックラッシュ)がどうしても発生してしまいます。
 アンチバックラッシュスプリングは、バネの反力を利用してこのガタツキを低減することを目的としたパーツです。
 私のEnder-3では、先日デュアルZ軸化を行い、送りネジを2か所にしたため、X軸ガントリーに動力を伝えるナット部の2か所に取付ける必要があります。

期待される効果

 Z軸の上下動作に伴うバックラッシュの影響を低減する効果があると思います。
本来、Z軸には常時荷重が掛かっており、FDM方式3Dプリンターの動作では、Z軸は下から順次上に向けて移動していくので、大きな影響がないようにも思います。
ただ、オートレベリング機能を付加した場合、微妙な平面の凹凸を補正するための微小上下動作が伴います。この場合に、バックラッシュは非常に影響を及ぼし、微妙な上下追従動作を実現するためにも付けた方がいいかなと思います。
 私の場合、取付ける前でのオートレベリング機能は非常に有効に働いていますので、取付後の効果の違いを実感できるかは微妙ですが・・・。

購入品

 今回購入したのは、下記となります。

ja.aliexpress.com


価格は、2セットで818円(送料込み)、発注~納入は22日間でした。
商品には真鍮製(金色)とPOM(ポリアセタール)製(黒色)のものがありました。
取付後の色の馴染みだけで黒を選択して購入してしまいました。

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購入品

取付開始

 取付方法は、他の方のサイトや動画等で詳しく紹介されていますので参考にされては如何でしょうか。私も、何も考えずに割とスムーズに取付完了しました。
要は、バネを一番縮めた状態で送りネジに通すところぐらいです。
取付完了後は、デュアルZ軸の再調整が重要で、過去記事に紹介しています。

 

ggblog.hatenablog.com

 

アンチバックラッシュスプリングの取付方向について

 他の方のサイトや動画紹介では、ほとんどが送りネジナット部の下方向に取付けています。
 当初は私もそれに倣って下側に取付けていたのですが、どうもこの取付に疑問を感じたのです。

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Z軸への取付状態(下向き)

 今回購入したパーツがPOM材質とあって、余計に気になってしまいました。
その点を下記の図で説明します。

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下側に取付けた場合の説明図

 X軸ブラケットに取り付くパーツを(A)とします。爪のあるパーツを(B)とします。
 下取付の場合、(B)にはバネの反力とX軸ガントリーの荷重が重なった大きな力が掛かっています。一方、(A)はバネの反発力で持ち上げられているので、(バネの反発力-荷重)の比較的弱い力で送りネジの下面に当った状態となります。
(B)のパーツでは、送りネジとの滑り摩擦をか細い爪で堪えています。
POM製のか細い爪の根元には、大きな応力集中があるはずです。

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凸型パーツ(B)

この状態で、どれだけの稼働に耐えられるのか非常に疑問です。
また、パーツ(A)では、バネで持ち上げられているので、余計にフワフワした状態で取り付いています
これで果たして、アンチバックラッシュの効果かがあるのでしょうか?

とりあえず、今回の取付については、下図のようにX軸ブラケットの上側に取付けています。

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上側に取付けた場合の説明図

 この場合、(A)のパーツには、(荷重+バネの反発力)の力が掛かることにより、バックラッシュの低減に効果があると思います。
パーツ(B)についても、バネの反発力のみが掛かるので、爪への応力集中も低減できると思います

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Z軸への取付状態(上向き)

 私の場合、ダイレクトエクストルーダ化しているので取付に問題ないのですが、通常のEnder-3では、エクストルーダ押出機へのフィラメント挿入に支障が出ると思います。
Thingiverse等で干渉を避けるようなパーツも紹介されているようですが、詳細は分かりません。

所感

 実際の効果については、今後の造形物の状態で見ていきます。
 パーツの材質について、パーツはやはり真鍮製にしておけば良かったと悔やんでいます。POM製でいつまで持つか・・・。

壊れたとしても、動作に支障なく、気が付かなかったりして・・。
 あと、アンチバックラッシュスプリングを取り付けることで、Z軸駆動に更に負荷を掛けることになり、Z軸ステッピングモータの定格トルクやドライバーの能力も知らずに、こんな改造を重ねてもいいのかなとの不安もよぎっています。