GGの挑戦

3Dプリンターライフを楽しんでいます

3Dプリンターで作ったもの

3Dプリンターで何作る?

 こんにちは。前回は、初めての3Dプリンターで購入から悪戦苦闘しつつも何とか思うような造形ができるようになってきた経緯を記載しました。

 他の人に、「3Dプリンター買ったよ。」と言うと、よく返ってくるのが「それで、何作るの?」と言われます。確かに、暇じーさんがこんなもの買って何の役に立つの?と自問自答しながら、「ん~、まっ、おもちゃやね。」と濁しています。

 プラモやフィギアも日用品も芸術作品も、正直あまり興味がない。とりあえず作ったのが孫たちに喜んでもらえる恐竜やら車のおもちゃ。これも目的の一つではあります。

とにかく作ったものを人に見てもらって、「これは凄い!」とか「これは便利!」と興味を持ってもらえることが一番うれしいですね。web上にたくさん紹介されているような作品も利用さて頂いていますが、やっぱり一番作りたいのがオリジナル作品で興味を持ってもらえるものです。他の人から、「こんなもの作ってよ。」と言って頂ければ一番手っ取り早いのですが、これも意外と続きません。

 私が好きなものの一つにメカニズム(機械機構)があり、簡単な構造モデルを子供達に見てもらえるような形にして作ってみたいという漠然とした思いがあります。今後のテーマの一つですね。

 あと、普段の生活の中で、「この部分、3Dプリンターで作れるなあ。もっと便利になるのに。」などと見方が変わってきています。新しい発見、題材が見つかった時、一番やる気になってきます。これが今の私の3Dプリンターライフの基本です。

 

作品紹介

 まだ2ヶ月足らずの初心者ですので、少ないですが次のようなものを自作で作りました。

・ハンドドリルホルダ

写真のものを製作後、強度不足があって、後に改造品も製作しています。(写真無)

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ドリルホルダー

・スプールホルダー

 Ender-3に付属しているスプールホルダーはパイプを固定した構造ですが、フィラメントを引き出す際にスプールの回転がぎこちなく、スムーズに回転しません。

 ネット上にはベアリングを使用したものなど散見しますが、今一気に入りません。それではと、近所のホームセンターで見つけた小型キャスター(なんと58円/個)を2個使って自作しました。自画自賛ですが、ほんとに素晴らしい使い心地でフィラメントが何の抵抗もなくスルスル出てきます。スプール穴径52mm以上、幅70mm以下に適合。

 (5/1追記:ただ、写真の様に取付板に引っ掛ける方式にしたため、簡単ではあるんですが外れやすく、後にねじ止め方式も作成しました)

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スプール装着時

・四節リンクモデル

 これは大好きな四節リンク機構を可変長アームでできないかと試作したもので、今後も改良を続けていきます。

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四節リンクモデル

・ノズル脱着冶具

 ノズル交換された方ならわかると思いますが、過熱しながら脱着しますので工具が入り辛かったり、取付時にねじ込み辛かったりすることがあります。なので、専用の脱着冶具を作ってみました。しかし、まだ実際に使っていません。次回交換時に評価します。

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ノズル脱着冶具

上記以外にも、看板文字や園芸用具なども多数作ってきました。

これからも新しいテーマを見つけて挑戦していきたいと思っています。

 

【2023/1/27 追記】 スプールホルダー変更しています

 上記スプールホルダーでは、穴の内側に段差のあるタイプに対応できなかったため、下記のベアリングを使ったものに変更しています。

新スプールホルダー

装着図

新スプールホルダー断面図

 

3Dプリンター奮闘記

自己紹介

 私は67歳男、パソコンは普段から2D-CADやMS-Officeなどを使っています。

週3日程度の健康的なパート勤務をしていますが、他の日は暇な時間が多く、ネット散策やゲーム、庭いじり、料理などで過ごしています。

 一昨年、3DCADソフトに興味を持ち、Fution360を個人ユーザーでインストールして3D作図の学習を始めました。そこでこの凄い機能に感激し、いつかは自作の部品を家で形にしてみたいと思っていました。

 そんな孤独な3Dプリンターユーザーですが、趣味を共有できる友もなく、訳も分からず試行錯誤でネット情報を頼りに3Dプリンターと過ごしてきたことを記載します。

 尚、私はブログを始めることも初体験ですので、誤った記載方法や改善点などご指摘、ご指導頂ければ幸いです。

 

 

 ついに初めての3Dプリンターを購入しました

 今年2月、youtubeで何気なく格安3Dプリンターを紹介している動画を見て、「これは凄い!2万円台で結構使えるものができている。これなら買える!」と。

 早速機種選びを始めました。選定ポイントは、

 ① 価格が安い

 ② ある程度大きい造形サイズ

 ③ 人気のある機種

 ④ カスタマイズし易い

 ⑤ ネット情報が多い

ことでした。

(この頃は、仕組みや使用可能材料や印刷条件設定など全く分かりませんでした。)

 そして選んだのが、Cleality Ender-3 Amazonから購入しました。

強化ガラスと予備のノズル5個付属で25,600円だったと思います。ついでにPLAフィラメントも 買いました。

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入荷時の状態

梱包内は綺麗、丁寧に収納されていて非常に好感が持てます。

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梱包の中身

各パーツは半完成状態で、ここから奮闘記が始まります。

まず組み立てには、付属SD内に組立説明書がありますが、パーツ確認以外ほとんど見てません。私は、youtubeにある組み立て手順を詳しく解説されている方の動画を参考に問題なく組み立てることができ、更に印刷開始までの調整を無事にできました。

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組み立て調整完了

早速、付属SDカード内にある犬ちゃんのサンプルデータを印刷してみました。

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テスト印刷

かなり綺麗な仕上がりで感激!! これなら色んなものが作れる!

早速ネット上にある無料のデータ(stl形式)を拾ってきては印刷し、その仕上りに興奮する日々を送っていました。中でも、これは無理かもと思うような下の造形物まで、何とか出力することもできました。 

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web上にあった凄い作品

 stl形式のデータの殆どは、次のサイトから頂いています。

thingiverse・・・世界最大級のデーター数があり、無料stlデータも容易に入手できます。

また、stl形式でなくても、Fusion360で読み込める拡張子の3Dデータであれば、stlに変換して出力しています。

スライサーソフトは、Ultimaker Cura4.8.0を使っています。stl形式ファイルからプリンター種類やフィラメント情報、印刷条件(この設定が大変で重要)などを加えて、.gcodeという拡張子の3Dプリンターに渡すデータ形式を生成します。

curaは、無料で容易にインストールでき、分り易い操作性と機能の豊富さが凄いです。  導入当初、この印刷条件設定が細かすぎて、何が何だかさっぱり分かりません。

無知な私は、とりあずdefaultで印刷してみて、失敗や不満があればネット検索でヒントをもらい条件設定をいじってみる。その中で設定値の意味合いを少しずつ学習するという試行錯誤の日々を送っていました。

 

Ender-3について

まだ2ヶ月程の初3Dプリンターユーザーなので、偉そうなことは言えませんが、感じたことをまとめてみます。一言で言えば、

私の目標に対し「格安でほぼ満足な造形物が仕上がる楽しいプリンター」です。

・機械いじりが好きで、少しのトラブルならば自己解決してみようと思う方向け

 そうでない方は、やめた方がいいかも。きっとブチギレることもあるでしょう。

・印刷範囲がW220×D220×H250mmと広く、結構大きなものが造形できる。

 只、ベッドや軸フレームの精度、温度ムラ、剛性などで大きなものはリスク大。

・オープンフレームで構造が分り易く、メンテし易い。

 不具合箇所の発見や清掃がやり易く、改造等もしやすい。

・強化ガラスベッドに付け替えたほうが、密着が良く剥がす時も冷却で容易。

 平面度もガラスベッドが良く、レベリングがやり易い。ただ、ベッド加温に時間が掛かるので、焦って印刷を急がない。

・ファンの音、モーターの動作音がうるさい。

 よく言われていることで、ファンカバー取り付けやファン交換、コントロール基板交換などの改造がネット上に情報がたくさんあります。私はカバー取り付けのみ。

 最近はEnder-3V2が出ており、改善されているようです。

・改造品やネット情報が多数ある。

 ユーザーの多い3Dプリンターなので、「Ender-3」で検索すれば、またyoutube動画や改造品はthingiverseなどで容易に情報入手できます。

 

スライサーソフトCuraについて

フリーソフトながら、操作性や機能で非常に使い易く、Ender-3の付属SDにも入っています。ここでは使用フィラメントに合った設定、印刷条件を入力するのですが、他にも次のことを考慮して造形物の配置をします。

・強度を考慮した部品の向き

 もっとも重要で、印刷部品がどのような使い方をして、どの部分に力が加わるのかを考慮します。Ender-3はFDM方式(熱溶解積層方式)なので、ノズルから吐出される糸状樹脂方向は引っ張りや曲げ応力にも強いのですが、積層方向には弱くなります。

・サポートの少ない部品の向き

 サポート材は印刷部品仕上り後不要になり、廃棄材料と時間のロスになります。

・表面仕上りを考慮した部品の向き

 サポート材の着く面は、サポートを取り除いた後も凹凸が残ることがあり、綺麗な面が必要ならばサポート材が付かない向きにします。

・部品を多数配置するとリスク大きい

 一度に多数の部品を印刷すれば、放ったらかし時間が増えて効率アップになるのですが、一つの部品でトラブルが発生すると印刷を中断せざる負えなくなり、全ての部品が無駄になります。ベッド温度ムラや表面状態などにより、剥がれ易くなることもあります。ヘッド移動に伴う糸引きも出やすくなります。私は、面倒でも少な目の数にしています。

Fusion360で自分で設計する際は、上記のことを心掛けて形状を決めるようになりました。

 

 

遭遇したトラブルと解決できたこと

購入から2ヶ月ですが、次のトラブルが発生しました。

①ベッドからの剥がれ

 このトラブルが一番多いと思います。一般的には、

・ ベッド面の清掃 ---消毒エタノールで綺麗にしています。

・ ベッドのレベル調整 ---これは必須

・ フィラメント材料に合った温度設定(ノズル、ベッド)---詳細は後述

・ 印刷速度---遅くする

・ ビルドプレート接着タイプの選定---スカート→ブリム→ラフトに変更

・ スティックのりを使用 ---私は使いません。

強化ガラスベッドで上記対応にて大抵貼り付いています。ほとんどの場合、1層目の着き具合(隙間に空気が入らず密着した状態ならOK)ですが、背の高い造形物などで途中から全体がはがれてしまうこともあります。後、ベッド全体の加温が遅く、はがれやすい場合もあります。1,2層目あたりはしっかり見守り、貼り付きが弱い場合はstopして、清掃後すぐに初めから開始することで、うまくいく場合もありました。

朝起きたら、こんな悲惨な状況になっていた、ってこともありました。

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失敗作

何れにしろ、あきらめることなく、根気よく条件探しが必要と思います。

②造形物がスカスカになる

明らかにノズルからの吐出量が減ってしまい、強度の全くないスカスカ造形物が出来てしまいました。この現象の前兆には、エクストルーダ供給部から、コン、コン」という音がしていて、当初これが異常なのかどうか分らず造形を続けていました。音は徐々に大きくなり、気付いたら造形物がスカスカに。

web情報から、この音はノズルからの吐出し量が減り、フィラメントを押し込むことが出来ずに戻されるときに出る音ということがわかりました。

原因はノズルの詰まりと思い、付属のノズルに交換しました。数日間は症状も改善していましたが、再度コン、コン」という音が気になり始め、スカスカになる現象が出てきました。これは、ノズルが原因ではない! と。

この時、もう一つの異変に気付きました。

ノズル部が十分に加温されているにもかかわらず、フィラメントをエクストルーダ部から抜き出すことが出来なくなりました。これは不具合と関係あると思い、ノズルの加熱部分まで差し込んであるテフロンチューブを引き抜きました。チューブの先端は、ヒーター加熱や過大圧で変形し、絞られた状態になってフィラメントに食い込みフィラメントが抜けなくなったものと分かりました。

 対処はテフロンチューブの先端を15mm程カッターナイフできれいにカットし、再装着しました。

なんと!この処理により、以後「コン、コン」という音は皆無になりました。つまり、フィラメントの通り具合がスムースになり、吐出しが完全に復旧しました。

ノズル詰まりよりこのテフロンチューブの変形のほうが発生し易いトラブルと思います。早速テフロンチューブを予備買いしました。「ノズル付属より、こちらを付属してくれ」という思いです。

③ベッドのレベル調整が出来なくなった

レベリングでベッドの4角の隙間具合が調整の度に全く合わなくなりました。

原因は、単純なことでZ軸右フレームを転がるプーリーアセンブリの固定ビスが緩んでいたことでした。他にも垂直に立つZ軸左右フレームの固定ネジもゆるゆるになっていることにも気づき、時々点検する必要があると思いました。復旧は再締め付けでOK。

 

フィラメントの種類と設定

 私がこれまでに使用した材料は、PLA、PETG、ABSです。使い方により替えていますが、それぞれの特徴や長短所は他の方のネット情報を参考にして下さい。

簡単に、次のような特徴と認識しています。

PLA:最も造形し易く、低価格で種類が多い。硬くて、試作品やフィギア向け。

PETG:低価格で種類も多い。PLAより粘り弾性、耐久性あり。造形温度は高め。

ABS:硬くて最も一般的な樹脂。造形は収縮し反り、剥がれ易い。造形温度髙い。

私の造形条件(現在これで運用しているだけで、最適ではありません)

・種類: ノズル温度     ベッド温度 印刷速度 プレート接着 その他

PLA:  110 210℃     70℃   50mm/s  ビルド    -

PETG:  135 235℃     90℃   35 50mm/s ビルド    -

ABS:  140~150 250℃  100℃   50mm/s  ビルド  初期レイヤ0.1

その他、細かい関節のように成形後容易に動く部品の場合は、ラフトにしています。

 

ここまで色々なものを造形してきましたが、次回更新では自作品の紹介や環境改善などを記載したいと思っています。